후리가나로 읽는 일본 고전
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きゅうしゅじん
旧主人・芽生
島崎 藤村
島崎 藤村의 旧主人・芽生(きゅうしゅじん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 149,813자 · 302화면
その日は珍しく暖で、冬至近いとも思われません位。これは山の上に往々あることで、こういう陽気は雪になる前兆です。昼過となれば、灰色の低い雲が空一面に垂下る、家の内は薄暗くなる、そのうちにちらちら落ちて参りました。日は短し、暗さは暗し、いつ暮れるともなく燈火を点るようになりましたのです。爺さんも何処へ行って飲んで来たものと見え、部屋へ入って寝込んで了いました。台所が済むと、私は奥様の御徒然が思われて、御側を離れないようにしました。時々雪の中を通る荷車の音が寂しく聞える位、四方はとして、沈まり返って、戸の外で雪の積るのが思いやられるのでした。御一緒に胡燵にあたりながら、奥様は例の小説本、私は古足袋のそそくい、長野の御噂さやら歯医者の御話やら移り移って盗賊の噂さになりますと、奥様は急に寂しがって、
「どうしたろう、爺さんは」
「もう最前に寝て了いました」
「おや、そう、早いことねえ。お前戸じまりをよくしておくれ。泥棒が流行るッて言うよ」
と、二人で恐がっておりますと、誰か来て戸を叩く音が聞えました。「はてな、今時分」と、ついと私は立って参りまして、表の戸を明けて見れば――一面の闇。