후리가나로 읽는 일본 고전
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きゅうしゅじん
旧主人・芽生
島崎 藤村
島崎 藤村의 旧主人・芽生(きゅうしゅじん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 149,813자 · 302화면
温順(おとな)しく寝ているのを好い事にして、いくらか熱のあったのも気に留めなかった。思うように子供を看(み)ることも出来なかったのである。
大久保へ来て三日目に、私は先ず新しい住居(すまい)へ移って、四日目には家のものを移らせた。新築した家屋のにおいは、不健康な壁の湿気に混って、何となく気を沈着(おちつ)かせなかった。壁はまだ乾かず、戸棚へは物も入れずにある。唐紙は取除(とりはず)したまま。種々なことを山の上から想像して来た家内には、この住居はあまりに狭かった。
「家賃を考えて御覧な」
と私は笑った。
歩調を揃(そろ)えた靴の音が起った。カアキイ色の服を着けた新兵はゾロゾロ窓の側を通った。金目垣(かなめがき)一つ隔てた外は直ぐ往来で、暗い土塵(つちぼこり)が家の内までも入って来た。
お房は物に臆しない方の娘で、誰とでも遊んだから、この住居へ移った頃には最早(もう)近所の娘の中に交っていた。そして、小諸訛(なまり)の手毬歌(てまりうた)なぞを歌って聞かせた。短い着物に細帯ではおかしいほど背丈の延びた学校通いの姉さん達を始め、五つ六つ位の年頃の娘が、夕方に成ると、多勢家の周囲(まわり)へ集った。