후리가나로 읽는 일본 고전
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きゅうしゅじん
旧主人・芽生
島崎 藤村
島崎 藤村의 旧主人・芽生(きゅうしゅじん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 149,813자 · 302화면
棺も、葬儀社の手にかけなかった。小諸から書籍を詰めて来た茶箱を削って貰って、小さな棺に造らせて、その中へお繁の亡骸(なきがら)を納めた。
「房(ふう)ちゃん、来て御覧なさい――繁ちゃんは死んじゃったんですよ」
こう家内が言った。
「菊(きい)ちゃん、いらッしゃい」
とお房は妹を手招きして呼んで、やがて棺の中に眠るようなお繁の死顔を覗(のぞ)きに行った。急に二人の子供は噴飯(ふきだ)した。
「死んじゃったのよ、死んじゃったのよ」
とお菊は訳も解らずに母の口真似をして、棺の周囲(まわり)を笑いながら踊って歩いた。
「馬鹿だねえ……御覧なさいな、繁ちゃんは最早ノノサンに成ったんじゃ有りませんか……」
と復た母に言われて、お房は不思議そうに、泣腫(は)らしている母の顔を覗き込んだ。丁度そこへ家内の妹も学校の方からやって来たが、この有様を見ると、直に泣出した。終(しまい)にはお房も悲しく成ったと見えて、母や叔母と一緒に成って泣いた。
蝋燭(ろうそく)の火が赤く点(とぼ)った。
「兎の巾着でも入れてやりナ」
と私が言ったので、家内や妹は棺の周囲へ集って、毛糸の巾着の外に、帽子、玩具(おもちゃ)、それから五月の花のたぐいで、死んだ子供の骸(から)を飾った。