후리가나로 읽는 일본 고전
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つきのまつやま
月の松山
山本 周五郎
山本 周五郎의 月の松山(つきのまつやま)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 20,451자 · 41화면
二
道場の中からは、稽古の物音が聞えて来た。
「ようすはどうでしたか」
泰二郎が近よって来て訊いた。孝也はけげんそうに相手を見た。
「坪田ですよ」と泰二郎が云った、「承知したんですか」
「うん、いや」と孝也は眼をそらした、「留守でだめだった、また改めていってみる」
「世話をやかせるやつだな」
「今日は稽古を休むからね」孝也は歩きだしながら云った、「済まないが頼むよ」
「弥六が熊の仔を捉まえました」うしろから泰二郎が云った、「井戸の脇の柿の木に繋いでありますよ」
孝也は長屋の自分の住居へ入った。
長屋はT字形になって二棟あり、一方が召使たち、一方が門人のもので、こちらには二部屋ずつの住居が七戸並んでいる。いまは孝也と泰二郎のほかに三人。孝也のは南の端であった。――夕刻、母屋のほうから、小間使のお品が食事を知らせに来た。孝也だけは母屋で(茂庭父娘と)食事を共にする習慣だった。お品は戸口で二度呼んだ、すると奥の部屋で孝也の断わる声が聞えた。
「食事はしない」と彼は云った、「少し腹痛ぎみだからと申上げてくれ」
二
その夜、孝也は眠ることができなかった。夜具の中で輾転と悶えたり、呻吟したり、はね起きて、がたがた震えながら歩きまわったり、また幾たびも暗い庭へ出ていったりした。