일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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いなかがえり

林芙美子随筆集

林 芙美子

林 芙美子의 林芙美子随筆集(いなかがえり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 58,157자 · 118화면

아오조라 문고

ハルピンや、長春、奉天、撫順、金州、三十里堡、青島、上海、南京、杭州、蘇州、これだけを約二ヶ月でまわって、放浪記の印税はみんなつかい果たして、上落合の小さい家に帰って来た。帰って来ると鳳仙花はみな弾けていて、雁来紅ももう終りであった。その年の十二月には、東京朝日の夕刊小説を書かして貰った。雪の降りそうな夜更けの事で、私は拾銭玉を持って風呂へでも行って来ようとしていた時であった。朝日の時岡さんが、「芙美子さん今日はいい知らせを持って来ました」と云って上って来られた。私は大馬力でその夕刊小説を書いた。暮れの二十八日に貰った千円以上の金に、私は馬鹿のようになってしまって、イの一番に銀座の山野でハンガリアン・ラプソディのディスクを買った。天金で一番いい天麩羅を下さいと云って女中さんに笑われた。そして一番いい自動車に乗って帰ろうと思って、あんまりよくないのに乗って家まで帰ったのを覚えている。

家には、夫や、二、三人の絵描きさんたちが居た。みんな貧乏で、お正月は支那そば会をしようと云っていた連中も、私の持って帰った札束を見ると、みんな「憂鬱じゃのウ」と云ってひっくりかえってしまった。