후리가나로 읽는 일본 고전
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くわのきものがたり
桑の木物語
山本 周五郎
山本 周五郎의 桑の木物語(くわのきものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 39,815자 · 79화면
仙吉の初七日の済んだ、明くる日のことである。朝の九時ごろだったが、とつぜん原精一郎が訪ねて来たのでびっくりした。
「くいしんぼうだよ、覚えているかね」
原はこう笑って、こっちがまだ返辞もしないうちに、急ぎの使者なんだと、持って来た結び文をさしだした。すぐみて呉れと云うので、あけてみると正篤からの手紙だった。
――会って話したいことがある、むかしの気持ですなおに来て貰いたい、来るものと信じて待っている。
こういう意味の走り書きで、署名はただ「信さん」とあり、宛名は「悠どの」としてあった。署名の「信さん」という字が、いきなりぎゅっと彼の心臓をつかんだ。むかしの気持でという、そのむかしの気持が全身に甦り、飛び立つおもいで、彼はおみつをせきたてて支度をした。
原と駕を並べて上屋敷へゆき、原の案内で、そのまま奥庭へはいっていった。――正篤は麻の帷子で袴はつけず、短刀だけ差した恰好で、日月亭の縁側に腰をかけていた。肥えたばかりでなく、筋肉質の逞しい躯になり、唇つきにも眼にも、ちからと意志の強さが表われていた。
「辞儀はぬきにしよう、久方ぶりだった」
「御堅固におわしまして、……」