후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
さくらのみのじゅくするとき
桜の実の熟する時
島崎 藤村
島崎 藤村의 桜の実の熟する時(さくらのみのじゅくするとき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 111,569자 · 222화면
時間の都合で、捨吉は独り教員室に居残るような折もあった。そういう折には、彼はあちこちと室内を歩き廻って見た。硝子窓に近く行くと、静かな中庭が直ぐその窓の外にある。中庭を隔てて平屋造りの寄宿舎の廊下が見える。その廊下に接して、住宅風な一棟の西洋館の窓も見える。硝子越しに映る濃い海老茶色の窓掛も何となく女の人の住む深い窓らしかった。
吉本さんの蔵書の一部も教員室の内を飾っていた。捨吉はその書棚の前へも行って立って見た。あの先輩の好みでかずかずの著者の名を集めた書籍の中には、古びた紙表紙の五巻ばかりの洋書も並べてあった。
「ラスキンが出て来た」
と捨吉は思いがけないものをその書棚に見つけたように言って見た。種々な経営にいそがしいあの吉本さんにも、こうした「モダアン・ペインタアス」なぞを繙こうとした静かな時があったであろうかと想像して見た。
装飾としても好ましい、古く手摺れて反って雅致のある色彩を集めた書棚の前を往ったり来たりして見る序に、捨吉は教員室の入口に近い壁のところへも行って立って見た。その壁の上には、丁度立って眺めるに好いほどの位置に、学年の終ごとに撮ったらしい職員生徒一同の写真の額が並べて掛けてあった。