후리가나로 읽는 일본 고전
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さくらのみのじゅくするとき
桜の実の熟する時
島崎 藤村
島崎 藤村의 桜の実の熟する時(さくらのみのじゅくするとき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 111,569자 · 222화면
五
こう捨吉は友達に話して笑って、更に思出したように、
「浅見先生には僕は神田の学校でアーヴィングをおそわった。『スケッチ・ブック』なんて言ったって本が無かった。先生は自分で抜萃したのをわざわざ印刷させた。アーヴィングなぞを紹介したのは恐らく浅見先生だろうと思うよ」
こんな話もした。
小一時間ばかり話して菅は帰った。友達が置いて行ったやわらかい心持は帰った後までも茶の間に残っていた。
夕方の静かな時に、捨吉は人の見ない玄関の畳の上に跪いた。唯独り寂しい祈祷の気分に浸ろうとした。丁度そこへお婆さんが通りかかった。捨吉は頭を上げて見て思わず顔を真紅にした。
五
もう一度皆同級の青年が学窓を指して帰って行く時が来た。三年の間ずっと一緒にやって来たり途中で加わったりした生徒が更に第四学年の教室へ移り、新しい時間表を写し、受持々々の教授を迎え、皆改まった顔付で買いたての香のする教科書を開ける時が来た。その中には初歩の羅甸語の教科書もあった。寄宿舎へ集るものは互に一夏の間の話を持ち寄って部屋々々を賑わし、夜遅くまで舎監の目を忍び、見廻りの靴の音が廊下に聞えなくなる頃には、一旦寝た振をしていたものまで復た起出して寝室の暗い燈火で話し込む時が来た。