후리가나로 읽는 일본 고전
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さくらのみのじゅくするとき
桜の実の熟する時
島崎 藤村
島崎 藤村의 桜の実の熟する時(さくらのみのじゅくするとき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 111,569자 · 222화면
急激に転下して行くような彼の若い生涯は、仮令十年の友にも勝るほどの親しみはあっても何と言ってもまだ交りの日の浅い清之助と枕を並べて、この茶の間の天井の下に一緒に寝ることを不思議にさえ感じさせた。床に就いてからも、清之助は直ぐ捨吉を眠らせなかった。
「今夜は是非、君に聞いて置きたい……そりゃ、まあ言わなくたって解ってるようなものだがね、まだ君の口から意中の人を指して話して貰わない。是非、それを聞かせて貰いたい……その人の名前を今夜確めて置きたい……もし又、後になって人が違ってた、なんてことに成ると困るからね……」
こんなことを言って、清之助は夜の二時過ぎまでも捨吉を唸らせた。
眼に見ることの出来ない大きな力にでも押出されるようにして、捨吉は東京から離れて行った。伝馬町に泊った翌日は新橋から汽車で、車窓の硝子に映る芝浜の裏手、東禅寺の上の方から一帯に続く高台、思出の多い高輪の地勢が品川の方へ落ちているあの大都会の一角を一番しまいに眺めて通って行った。
捨吉は鎌倉にある岡見の別荘まで動いた。そこは八幡宮に近い町の裏手にあたって、平坦な耕地に囲繞かれたような位置にある。