후리가나로 읽는 일본 고전
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さくらのみのじゅくするとき
桜の実の熟する時
島崎 藤村
島崎 藤村의 桜の実の熟する時(さくらのみのじゅくするとき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 111,569자 · 222화면
下女は盥の中の単衣を絞ってお婆さんに見せた。それが絞られる度に捩じれた着物の間から濁った藍色の水が流れた。
捨吉はすごすごと井戸端を通りぬけ、復た芥取を提げて草むしりを仕掛けて置いた門前の方へ行った。
憂鬱――一切のものの色彩を変えて見せるような憂鬱が早くも少年の身にやって来たのは、捨吉の寝巻の汚れる頃からであった。何もかも一時に発達した。丁度彼が毟っている草の芽の地面を割って出て来るように、彼の内部に萌したものは恐ろしい勢で溢れて来た。髪は濃くなった。頬は熱して来た。顔のどの部分と言わず癢い吹出ものがして、膿み、腫れあがり、そこから血が流れて来た。制えがたく若々しい青春の潮は身体中を馳けめぐった。彼は性来の臆病から、仮令自分で自分に知れる程度にとどめて置いたとは言え、自然を蔑視み軽侮らずにはいられないような放肆な想像に一時身を任せた。
こういうことが、優美な精神生活を送った人達の生涯を慕う心と一緒になって起って来た。捨吉は夏期学校の催しを思いやり、その当時としては最も進んだ講演の聞かれる楽みを思いやって、垣の根に蔓った草をせっせと毟った。葉だけ短かく摘み取れるのがあった。