후리가나로 읽는 일본 고전
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さくらじま
桜島・日の果て・幻化
梅崎 春生
梅崎 春生의 桜島・日の果て・幻化(さくらじま)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 169,810자 · 345화면
突然宇治の背後で、空気を切り裂くような鋭い女の叫び声が上った。何と言ったかは判らぬ。イロカノの言葉であった。その声に驚いて男は頭を上げた。髪が伸び頬がこけた様子はふと別人かと見えたが、宇治は思わず五六歩歩み寄った。それはまぎれもなく花田中尉であった。
堤に足を一歩踏みかけた姿勢を、ぎくっとしたように花田は引いた。宇治との間隔は四五間である。水を浴びた為髪毛が立ったせいか、残照を背にして顔容に陰影を孕むためか、花田の表情は何か兇悪に見えたが、その頬に驚きの色が消えるとへんに不可解な笑いが突然ぼんやりと浮び上って来た。白い歯のいろであった。それを見た時宇治の胸に、思いがけぬ羞恥の念がじりじりと拡がって来たのである。高城が足をずらしながら花田の横手に廻ろうとするのをふと眼ですがりながら、耳や頬が熱くなるのを宇治はかくしきれないで居た。花田と会う瞬間の想像の中で彼は此の感情を計算に入れていなかったのだ。
「宇治中尉、か。連絡に来たのか」かすれた声で花田が言った。肉の薄くなった肩や胸を恥じるように彼は腕を不自然に動かした。
「――傷は、足の傷はどうなんだ。歩けるのか」