일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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もみノきはのこった

樅ノ木は残った

山本 周五郎

山本 周五郎의 樅ノ木は残った(もみノきはのこった)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 112,073자 · 223화면

아오조라 문고

「本当だ、おれは妹を妾に出した、みんなは妹が身を売った金で、飢を凌いだことがあるんだ」

六郎兵衛はまた酒を呷った、それが伊達兵部をつかむ機縁になった、妹のみやから、伊達家に内紛のあるのを聞き、その主人の渡辺九郎左衛門が暗殺されて、妹が逃げ帰ったとき、彼は「ここに運がある」と思った。たしかに運があった。

伊達家の内紛には、兵部宗勝の野心が強く作用している。それらの事情は渡辺九郎左衛門の口から、妹が聞きだしていたし、九郎左衛門が暗殺されたことで、兵部の野心がいかに大きく、根強いものであるかが推察された。そこへ宮本新八という者が、手にはいった。新八の云うことは、彼の推察がまちがいでないことを証明した。

そして彼は兵部をつかんだ。六郎兵衛は兵部に月づきの扶持を約束させ、その金でここに道場をひらいた。当時は江戸市中にも町道場などは極めて少なかったが、彼は高額の謝礼を取り、初心者を入門させず、主として諸侯の家へ出稽古をする、という方法をとった。

これが相当うまくいった。町道場というものが稀だったからであろう。また剣法家を抱えていない諸侯も多いので、出稽古という法も当ったのだろう、少なくともいまのところ、柿崎道場は予想よりもうまくいっている。