후리가나로 읽는 일본 고전
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
山本 周五郎의 樅ノ木は残った(もみノきはのこった)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 112,073자 · 223화면
その家の一と間を借りるのであった。
新八にとっては、おみやよりもお久米のほうが好ましかった。おみやはそのことだけに熱中し、殆んど飽きることを知らない、というふうであるが、お久米は酒もほどよく、唄もうたい、やんわりくどきかけるし、あとにしんみりとした余情が残った。
「浄瑠璃太夫か」と彼は天床を見ながら、そっと呟いた、「そのほうがいっそましかもしれない」
「なにがましなの」と縁先で声がした。
新八はとび起きた。おみやが縁側からあがって来て、いきなり彼に抱きついたと思うと、うしろへまわした彼の手から、すばやく手紙を奪い取った。新八はかっとなった。ゆだんしていた自分にも肚が立ったしおみやのやりかたも癪に障った。
「なにをするんです」彼はおみやの腕を掴んだ。
おみやは手紙を左の手に持ち替えた。新八はその手を逆に取り、捻じあげながら手紙を奪い返した。おみやは悲鳴をあげた。
「痛いわよ、手が折れるじゃないの」
新八は彼女の腕を放し、手紙をずたずたにひき裂いた。
「そんなことしたってだめよ」とおみやが云った、「やぶいて捨てたって、誰からなにを云って来た手紙か、ちゃんとわかってるんだから」