후리가나로 읽는 일본 고전
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
山本 周五郎의 樅ノ木は残った(もみノきはのこった)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 112,073자 · 223화면
それは、良源院から宇乃を伴れ出そうとして、宇乃の前に立ったとき、宇乃の清らかな眼で、まっすぐにみつめられたときのことであった。おれは汚れている、と新八はそのとき思った。彼は柿崎六郎兵衛の云うことを信じ、宇乃と虎之助を保護するために、伴れ出しにいったのであるが、宇乃の美しく澄んだ眼で、まっすぐにみつめられたとき、すぐには舌が動かなかった。
そのとき彼は、自分が汚れていること、姉弟を伴れ出すのも欺瞞であることに気づき、するどい悔恨と苦痛におそわれた。そして、愛宕山の下で塩沢丹三郎に追いつかれ、彼と相対して立ったとき、その悔恨と苦痛は頂点に達した。
おれは立直ろう、と新八は自分に誓った。立直る第一はおみやの誘惑を拒絶することだ。幸いおみやは屋敷奉公に出ていたし、野中の家族と暮し始めて、日常もかなり変化した。一日おきに駿河台下の道場へかよい、六郎兵衛に稽古もつけられる。その激しい稽古ぶりは容赦のないもので、たぶん、畑姉弟の誘拐に失敗したことを責める意味もあったろうが、しかし彼は、すすんでその「責め」を受けいれた。それはむしろ、自分を鍛え直すのによい機会だと思った。