후리가나로 읽는 일본 고전
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
山本 周五郎의 樅ノ木は残った(もみノきはのこった)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 112,073자 · 223화면
藤沢内蔵助は木剣架けへ走ってゆき、自分の木剣をつかみ取った。そのとき野中又五郎が戻って来た。彼は倒れている石川を見るなり、藤沢がなにをしようとしているかを察した。又五郎はとびかかって藤沢を抱き止めた。
「放せ、放してくれ」と内蔵助は叫んだ、「石川は腕を折られた、彼が酒で弱っているのを知っていながらやったのだ、あまりにむごすぎる、放してくれ」
「放してやれ、野中」と六郎兵衛が云った、「そいつも片輪になりたいんだろう、どうせなかまを裏切るやつだ、片輪にしてやるから放してやれ」
「私がなかまを裏切るって」
「おれは眼も耳もある、知っているぞ」と六郎兵衛は云った、「おれが奔走してここまでこぎつけ、みんなの生活の基礎ができかかっているのを、その二人はぶち壊そうと企んでいるのだ」
「これがなかまの生活か」と藤沢が叫んだ、「われわれには粥を啜るほどの手当しか呉れず、道場や出稽古の謝礼はみんなとりあげたうえ、自分だけはいかがわしい女を三人も抱えて贅沢三昧に暮している、これでもなかまの生活といえるか」
「よせ、藤沢、やめてくれ」
又五郎は彼を制止し、羽交いじめにしたまま、控え所のほうへ強引に伴れ去った。