후리가나로 읽는 일본 고전
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
山本 周五郎의 樅ノ木は残った(もみノきはのこった)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 112,073자 · 223화면
となをこが云った、「もっとほかの話しをすべえ、殿さまに笑われるだ」
「ほかのなにを話すのだ」とふじこが云った、「なをこはなにを話してえだ」
なにを話したくもないが、そんな話しは恥ずかしいからいやだ、となをこが云った。なにが恥ずかしいものか、これは人間の苦のたねではないか、とふじこが云った。へええ、ときよきが云った。なにが苦のたねだ、嬉しくってわくわくするくせに。きよきはわくわくするかもしれない、だがよく世間を見てみろ、とふじこが云い返した。嫁にいって亭主や舅や姑のきげんきづまをとって、汗みずたらして働いて子を産んで、休むひまもなく年をとって老いぼれて、そして死んでしまうのではないか。男は外で勝手なまねもできるが、女は生涯「家」と「亭主」と「子供」に縛られたっきりで、一生に一度、仙台の城下を見ることもできずに終ってしまう者が多い、それでもわくわくするか、とふじこが云った。
そんなことは誰でも云うことだ、ときよきが云った。昔から云い古されて耳にたこがいってるくらいだ、そのくせ一生独り身でいる者はない、いやだのおうだの苦のたねだのと云いながら、やっぱり年ごろになれば男が欲しくなり嫁にゆきたくなる。