후리가나로 읽는 일본 고전
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
山本 周五郎의 樅ノ木は残った(もみノきはのこった)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 148,519자 · 296화면
兵部は六郎兵衛に興味をもったようであった。興味をもったという以上に、共通した性格の一面が、つよく兵部をひきつけたといえるかもしれない。兵部は云った。
「おれは部屋住の苦いおもいを経験した」
「存じております」
「ひやめしの味も知っておる」と兵部は云った、「おれは金の価値を知らぬ大名そだちではない、欲しいものがあっても、値段によっては買わずにがまんするようにそだって来た」
「私は使える人間を五人やしなっております」と六郎兵衛は云った、「かれらは素姓も正しく、兵法武術にもひとなみ以上の心得がありながら、運の悪いために窮迫し、自分の命を売って食わなければならない者たちです」
「その男たちも事情を知っているのか」
「私は必要のないことを情にまかせてしゃべるような人間ではございません」
「そうらしいな」と兵部が頷いた、「金のことは隼人に申しつけよう」
「いや、侯御自身から頂きます」
「なぜだ」
「この契約は侯と私だけ、ほかには誰びとにも口だしをしてもらいたくないのです、お申しつけになる御用も侯じきじき、お手当も御自身のお手から頂きます」
「家来どもは信用せぬと申すのか」
「私は人に頭を下げるのが嫌いでございます」