후리가나로 읽는 일본 고전
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
山本 周五郎의 樅ノ木は残った(もみノきはのこった)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 148,519자 · 296화면
彼は安芸を見て云った、「私が出府してすぐ、宇田川橋へ挨拶にいったときのことですが、そのとき一ノ関さま御自身から入札の話しが出て、右京どの、式部どのに入れた者もあるし、また、おかしなことに、このおれに入れた者もある、と申された」
「たしかにそうらしゅうございますな」と富塚内蔵允が云った、「二三の人が、一ノ関さまに札を入れたということは、私も聞いております」
「私は胆がにえました」と大学は云った、彼は富塚の言葉をまったく無視して、安芸に向かってつづけた、「それで、いかなる人が一ノ関さまに札を入れたのですか、とたずねました、そう訊かずにはいられなかったのです」
「それで」と片倉小十郎が訊いた、「一ノ関ではなんとお云いなされた」
「一ノ関さまはにが笑いをなされ、事が済んだあとだ、無用なせんさくをすることはあるまい、と申されました。そこで私も云いました、事の済んだあとで無用ならこんな話しはなさらなければよい、聞いた以上は私もその名を知っておかなければなりません」
大学の口ぶりは激しく、昂然としたものであった。みんな黙って、聞いていた。大学はつづけた。
「私は国老として、その名を知っておく必要がある、と申しました、すると、一ノ関さまは尤もらしく頷かれ、ではおれに入れた者の名だけ云おう、それは弾正(安敏)どのだ、と云われたのです