일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

ja-reading.com

후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.

もみノきはのこった

樅ノ木は残った

山本 周五郎

山本 周五郎의 樅ノ木は残った(もみノきはのこった)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 148,519자 · 296화면

아오조라 문고

甲斐は動かずに、身分が違うからこれで勘弁していただきたい、と辞退した。

「おれを知っているのか」と雅楽頭が云った。

甲斐は穏やかに、女どもから聞いていたし、厩橋侯であることは、江戸の市民なら誰でも知っているであろう、と答えた。

雅楽頭は唇で笑った、「おれもそのほうを見たように思う」と雅楽頭は云い、するどい眼で、じっと甲斐の眼をみつめた、「たしかに、どこかで会ったように思う」

雅楽頭は明らかに、その一瞬をたのしんでいた。その一瞬をたのしむために来た、といってもいいほど、彼の眼には期待の色がみえた。

甲斐の左の頬にふかい竪皺がよった。甲斐はかすかに唇で笑い、ごくさりげなく、それは光栄であると云った。老中のなかでも、いま御威勢高き厩橋侯にそういわれることは、一代の面目であると云った。

そこへ酒肴の膳がはこばれた。

雅楽頭だけの膳である。おくみが自分で雅楽頭の前に据え、給仕をするために坐った。雅楽頭は盃を取って飲み、「遣わそう」と甲斐にさしだした。おくみが取次ごうとすると、寄って取れ、と雅楽頭が云った。甲斐はおくみに「頂戴してくれ」と云い、やはりそこを動かなかった。