후리가나로 읽는 일본 고전
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
山本 周五郎의 樅ノ木は残った(もみノきはのこった)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 148,519자 · 296화면
甲斐は膝の上で扇子をひらいたが、べつに風をいれるでもなく、半ばひらいたまま膝に置いてつづけた。
「宮本の遺族は国許へ押籠、畑の娘も弟が八歳になりましたら、国許のいずれかへ永預けということにしたらいかがと思います、もちろん評議のうえでなければわかりませんけれども」
「うん、うん」兵部はじっと甲斐を見た、「それで評定職の意向もほぼ推察がつくようだが、奸臣の遺族に対する処理としては、少しゆるいようではないか」
「そうでございましょうか」と甲斐は云った、「私はまた厳しすぎるかと思いますが」
兵部の眼が光った。
「もし必要なら、あの夜、金兵衛ら三名が、親といっしょに仕止めたでございましょう、そう致さなかったのは、家族まで斬る必要がないと認めたからだと思います」
金兵衛と七兵衛は眼を伏せた。
「わかった、――」と兵部が云った、「その旨を覚えておこう、いらぬ席へ押掛けたようであるが、分家の身としてやむを得なかったのだ、ゆるせ」
そして兵部はまもなく座を立った。
六人の評定役は坐ったまま挨拶をした。遠山勘解由はまだ忿懣がおさまらないとみえ、肩肱を張ってむっとふくれていた。