후리가나로 읽는 일본 고전
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
下村 湖人의 次郎物語(じろうものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 146,773자 · 294화면
次郎は、やはりじっと彼を見つめているだけである。
「白状せい、白状せんと、なぐるぞ。」
三つボタンは、腕組をといて、右手の拳を次郎の顔のまえにつき出した。次郎はそれでもたじろがなかった。そして、いくぶん血の気を失った唇をふるわせていたが、
「僕、何も悪いことなんかしていません。」
と、食ってかかるように言った。
「何? 悪いことしていない? じゃあ、何でこんなところに一人でいたんだ。」
「用があったからです。」
「何の用だ。それを言ってみい。」
三つボタンはにやりと笑った。
次郎には、その下品な笑いが、鉄拳以上の侮辱のように感じられた。彼は返事をする代りに、思わず手を衣嚢に突っこんで、小刀を握った。
三つボタンは、しかし、それには気がつかないで眼を柵の外に転じながら、
「言えないだろう。中学生が学校の柵の内から、道を通る女を眺めていたなんて、そりゃ自分の口から言えんのがあたりまえだ。」
衣嚢の中で小刀を握りしめていた次郎の手は、もうすっかり汗ばんでいた。
「本田、――」
と、三つボタンはいかにも訓戒するような調子になって、
「貴様の行いは全校の恥だぞ。しかも、貴様はまだ一年生じゃないか。