후리가나로 읽는 일본 고전
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
下村 湖人의 次郎物語(じろうものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 200,443자 · 398화면
そのはずみに、とまっていた楓の小枝がかすかにゆれた。小枝がゆれると、雀ははねるようにぴょんと隣りの小枝に飛びうつった。その肢体には、急に若い生命がおどりだして、もうじっとしてはおれないといった気配である。
間もなく雀は力強い羽音をたて、澄みきった冬空に浮き彫りのように静まりかえっている櫟の疎林をぬけて、遠くに飛び去った。そして、すべてはまたもとの静寂にかえった。
次郎は深いため息に似た息を一つつくと、カーテンを思いきり広くあけ、机の上の電気スタンドを消した。そして、外の光でもう一度「歎異抄」のページに眼をこらした。
机の上の小さな本立てには、仏教・儒教・キリスト教の経典類や、哲人の語録といった種類のものが十冊あまりと、日記帳が一冊、ノートが二三冊たててあるきりである。次郎は、どういう考えからか、一月ばかりまえに、自分の蔵書の中から、それだけの本を選んで座右におき、ほかはみんな押し入れにしまいこんでしまったのであるが、このごろでは、そのわずかな本のいずれにもあまり親しまないで、ほとんど「歎異抄」ばかりをくり返し読んでいるのである。
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