일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

下村 湖人의 次郎物語(じろうものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 200,443자 · 398화면

아오조라 문고

二人には、一般の塾生活指導者にありがちな自己陶酔ということが微塵もなかった。次郎の眼にはすばらしい成功だと映ることも、二人にとっては常に反省の資料であり、検討の余地を残すことばかりであった。「肝胆を砕く」という言葉は、古人がこの二人のために残した言葉ではないかとさえ思われるほど、生活のあらゆる面について研究をかさね、工夫を積んだ。それは、はた目には苦悩の連続ともいうべきものであった。しかも、それでいて二人の気分はいつも澄みきっており、あせりがなく、あたたかでほがらかだった。次郎は、そうした気分に接するごとに、二人がうらやましくも尊くも思え、同時に自分のいたらなさが省みられるのだった。

ある冬の朝、――それはたしか第四回目の塾生活がはじまろうとする数日前のことだったと思うが、――朝倉先生は、居間の硝子戸ごしに、じっと庭のほうに眼をこらし、無言ですわっていた。そこへ次郎が朝のあいさつに行った。すると先生は黙ってかれに眼くばせした。かれにもそとを見よという合い図らしかった。次郎は、すぐ二人のうしろにすわってそとを見た。葉の落ちつくした櫟の林が、東から南にかけて、晴れた空に凍てついている。