후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
ぼしじょじょう
母子叙情
岡本 かの子
岡本 かの子의 母子叙情(ぼしじょじょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 77,355자 · 153화면
よほど永いように思いますが――」
かの女は、何となく、老紳士の息子に対して気兼ねが出て、自分のむす子の遊学の話など、すぐ返事が出来なかった。また逸作が代っていった。
「僕等が、昭和四年に洋行するとき、連れて行ったまま、残して来たんです」
「まだ、お年若でしょうに。中学は出られましたかな」
この老紳士は、中学教育に余程力点を置いているらしい。そして逸作からむす子の学歴の説明を聴いてほっとしたように、
「中学も立派に卒業されて、美術学校へ入られた……ほほう、そして美術学校の途中から外国へ出られたというんですな。しかし、何しろ洋画はあちらが本場だから仕方がない」
「学校の先生方も、基礎教育だけは日本でしろとずいぶん止められたんですが、どうにもこれ(かの女を指して)が置いて行けなかったんで」
すると老紳士は、好人物の顔を丸出しにして褒めそやすようにいった。
「なるほど、ひとり息子さんだからな、それも無理はない」
かの女は他人のことばかりに思いやりが良くて、自分の息子には一向無関心らしい老紳士が、粗っぽく思えて興醒めた。が、ひょっとすると、この老紳士は自分の気持を他人の上に移して、心やりにする旧官僚風の人物にままある気質の人で、内心では案外、寸刻の間も、自分の息子の上にいたわりの眼を離さないのかも知れない。