후리가나로 읽는 일본 고전
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すいごういぶん
水郷異聞
田中 貢太郎
田中 貢太郎의 水郷異聞(すいごういぶん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 17,516자 · 36화면
「吐いたか、吐いたなら大丈夫だ」
省三は急いで台所へ入って往って手探りに棚にあった飯茶碗を執ってバケツの水を掬うて持って来た。
「水を持って来た、この水を飲んでもうすこし吐くが好い」
省三は蹲んでその水を細君の口の傍へ持って往った。細君はその茶碗を冷かな眼で見たなりで口を開けなかった。
「何故飲まない、飲んだら好いじゃないか、飲まないといけない、飲んで吐かなくちゃいけない」
省三は無理に茶碗を口に押しつけた。水がぽとぽととこぼれたが細君は飲まなかった。
「お前は小供が可愛くないのか、何故飲まない」
がたがたとそそっかしい下駄の音がして野本が入って来た。
「先生はすぐ来る、どうだね、大丈夫かね」
「吐いた、吐いた、吐いたら大丈夫だと思うのだ」
「吐いたのか、吐いたら好い」
野本は傍へ来て立った。
「奥さんどうしたのです、大丈夫ですから、しっかりしなさい」
細君の顔は野本の方へ向いた。その眼にはみるみる涙が一ぱいになった。
「野本君、僕が水を飲まして吐かそうとしても、飲まない、君が飲ましてくれ給え」
省三は手にした茶碗を野本の前にだした。
「そんなことはなかろうが、僕で好いなら、僕が飲ましてやろう」