후리가나로 읽는 일본 고전
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かごつるべ
江戸情話集
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 江戸情話集(かごつるべ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 203,779자 · 407화면
狭い階子の上に相手が刃物をふりかざしているので、誰も迂闊に寄り付くことができなかった。みんなは店から煙草盆を持って来て二階へ投げあげた。茶碗や小皿なども投げ付けた。
「屋根から窓の方へ廻れ」と、誰か叫ぶ者があった。
逃げ路を塞がれては不便だと気がついて、次郎左衛門は敵の廻らないうちに、自分から先きに窓を破って大屋根の上に逃げて出た。風は暁け方から吹きやんで、三月の朝の空は眼を醒ましたようにだんだんに明るくなった。幾羽の鳩の群れが浅草の五重の塔から飛び立つのが手に取るようにあざやかに見えた。眼の下の仲の町には妓楼や茶屋の男どもが真っ黒に集まっていた。
火消しは長ばしごを持ち出して来て、方々から屋根伝いに追い迫って来た。次郎左衛門はそれでも二、三人を切りおとして、隣りの屋根から物干の上に出た。物干のあがり口には窓があったが、その窓はもう固く閉められて、はいることは出来なかった。彼は屋根伝いに隣りからとなりへと伏見町の方へ四、五軒逃げた。
この騒ぎを聞いて栄之丞も茶屋から出ると、狂人のようになって駈けて来る浮橋に出逢った。彼は自分の胸に時どき兆していた怖ろしい予覚が現実となって現われたのに驚かされた。