후리가나로 읽는 일본 고전
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かごつるべ
江戸情話集
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 江戸情話集(かごつるべ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 203,779자 · 407화면
箕輪心中
一
お米と十吉とは南向きの縁に仲よく肩をならべて、なんにも言わずに碧い空をうっとりと見あげていた。
天明五年正月の門松ももう取られて、武家では具足びらき、町家では蔵びらきという十一日もきのうと過ぎた。おととしの浅間山の噴火以来、世の中が何となくさわがしくなって、江戸でも強いあらしが続く。諸国ではおそろしい飢饉の噂がある。この二、三年はまことに忌な年だったと言い暮らしているうち、暦はことしと改まって、元日から空っ風の吹く寒い日がつづいた。五日の夕方には少しばかりの雪が降った。
それから天気はすっかり持ち直して、世間は俄かに明るくなったように春めいて来た。十吉の庭も急に霜どけがして、竹垣の隅には白い梅がこぼれそうに咲き出した。
この話の舞台になっている天明のころの箕輪は、龍泉寺村の北につづいた寂しい村であった。そのむかしは御用木として日本堤に多く栽えられて、山谷がよいの若い男を忌がらせたという漆の木の香いがここにも微かに残って、そこらには漆のまばらな森があった。畑のほかには蓮池が多かった。
十吉の小さい家も北から西へかけて大きい蓮池に取り巻かれていた。