후리가나로 읽는 일본 고전
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かごつるべ
江戸情話集
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 江戸情話集(かごつるべ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 203,779자 · 407화면
この頃はこめかみの痛む日が多かった。胸の痛む日が多かった。取り分けてきょうは雪冷えのせいか、脾腹から胸へかけて差し込みが来るように思われた。
「綾鶴さん、綾鶴さん」
低い声で呼んだが、次の間で返事がなかった。二度も三度も呼ばれて、綾鶴はようように寝ぼけたような声を出した。
「花魁。なんざいますね」
「お湯を一杯おくんなんし」
「あい、あい」
藤の比翼絞を染めた湯呑みを盆にのせて、綾鶴は腫れぼったい眼をしてはいって来た。いつもの薬を煎じようかと言ったが、綾衣はいらないと言った。明けても暮れても薬ばかり飲んでいては生きている甲斐がないと、彼女はさびしく笑った。
「それでも、こうして起きていなんしては悪うおす。ちっと横におなりなんし」
綾鶴は次の間の夜具棚から衾や蒲団を重そうに抱え出して来て敷いた。そうして、人形を扱うように綾衣を抱え、蒲団の上にちゃんと坐らせた。綾衣はおとなしくして湯を飲んでいた。
「花魁。いつの間にか積もりんしたね」
座敷の櫺子窓をあけて外を眺めていた綾鶴が、中の間の方へ向いて声をかけた。ちっとの間に雪がたくさん積もったから、ちょいと来て見ろと仰山らしく言うので、綾衣はしずかに起って座敷へ行った。