후리가나로 읽는 일본 고전
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かごつるべ
江戸情話集
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 江戸情話集(かごつるべ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 203,779자 · 407화면
雨はその晩から明くる日まで降り通した。きょうの花火はお流れであろうと、林之助は雨の音をわびしく聞いた。そうして、雨の降る日にでも遊びに来てくれと、このあいだの晩お里にささやかれたことを思い出した。しかし彼はどうしてもお絹の方へ行かなければならないと思い直した。きょうも午さがりでなければ出られなかったので、八つ(午後二時)少し前に屋敷を出て、冷たい雨のなかを両国へ急いだ。
打ちどめの花火を雨に流された両国の界隈は、みじめなほどに寂れていて、列び茶屋も大抵は床几を積みあげてあった。野天商人もみな休みで、ここの名物になっている鰯の天麩羅や鰊の蒲焼の匂いもかぐことはできなかった。秋の深くなるのを早く悲しむ川岸の柳は、毛のぬけた女のように薄い髪を振りみだして雨に泣いていた。荷足船の影さえ見えない大川の水はうす暗く流れていた。
林之助も暗い心持ちで長い橋を渡った。
九
今頃自宅へ行っても居ないことを知っているので、林之助はお絹を東両国の小屋にたずねると、お絹もお君も見えなかった。お絹はきのうの朝から気分が悪いのを、無理に押して楽屋へはいったが、どうしても中途で我慢ができなくなった。