후리가나로 읽는 일본 고전
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かごつるべ
江戸情話集
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 江戸情話集(かごつるべ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 203,779자 · 407화면
夜泣きの呪いじゃあるまいしと、お絹は思わず噴き出したことがあった。
その一枚の絵は煤びたままで今も屏風に貼り付けてある。林之助に取ってはこれも懐かしい思い出の一つであった。
彼はここへ身を寄せてからの小一年のあいだの出来事を、それからそれへと思いうかべた。そうして、自分の眼の前に悩ましげに坐っているお絹の衰えた姿を悼ましく眺めた。その妖艶のおもかげはきのうに変らないが、僅か見ないうちに小鼻の肉が落ちて、頬が痩せて、水のような色をしている顔の寂しさが眼に立った。それと同時に、まぶたのやや窪んだ例の眼がいよいよ物凄く見えるのも林之助をおびやかした。
「お前さん。まだあたしを疑っているの」と、お絹は蒲団に片手を突きながら訊いた。
「なに、なんとも思うものか」
差しあたっては林之助はこう言うよりほかはなかった。彼はこの上に向島の一件を詮議するわけにもいかなかった。お絹もきょうはお里のことはひと言もいわなかった。ふたりは秋の雨を聞きながら静かに世間話などをしていた。二人がこれほどむつまじく打解けて話し合っているのは近頃に珍らしいことで、次の間で聞いているお君もなんとなく嬉しかった。