일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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かごつるべ

江戸情話集

岡本 綺堂

岡本 綺堂의 江戸情話集(かごつるべ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 203,779자 · 407화면

아오조라 문고

九郎右衛門の素姓はよく判っていない。なんでも長町辺で小さい商いをしていたらしいが、太い胆をもって生まれた彼は小さい商人に不適当であった。彼は細かい十露盤の珠をせせっているのをもどかしく思って、堂島の米あきないに濡れ手で粟の大博奕を試みると、その目算はがらりと狂って、小さい身代の有りたけを投げ出してもまだ足りないような破滅に陥った。もう夜逃げよりほかはない。彼は女房と一人の伜とを置き去りにして、どこへか姿を隠してしまった。

ほかには頼む親類や友達もなかったので、取り残された女房は伜の六三郎を連れて裏家住みの果敢ない身となった。九郎右衛門のゆくえは遂に知れなかった。さなきだにふだんからかよわいからだの女房は苦労の重荷に圧しつぶされて、その明くる年の春に気病みのようなふうで脆く死んでしまった。

六三郎はまだ十歳の子供でどうする方角も立たなかった。近所の人たちの情けで母の葬いだけはともかくも済ましたが、これから先どうしていいのか、途方に暮れて唯おろおろと泣いているのを、大工の庄蔵が不憫に思って、大宝寺町の自分の家へ引き取ってくれた。孤児六三郎はこうして大工の丁稚になった。