후리가나로 읽는 일본 고전
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かごつるべ
江戸情話集
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 江戸情話集(かごつるべ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 203,779자 · 407화면
彼は人の見ない所で時どき涙をふいた。
二十日は日がいいというので、いよいよその朝に草鞋を穿くことになった。その前の日に六三郎は母の寺詣りに行きたいと言った。
「よく気がついた。当分お詣りもできまいから、おふくろの墓へ行って、よくその訳をいって拝んで来るがいい」と、親方は幾らかの布施を包んでくれた。
六三郎はありがたくその布施をいただいて、午すぎから親方の家を出た。今日もどんよりと陰った日で、裏の空地の桜は風もないのにもう散りそめていた。
寺は六三郎が昔住んだ長町裏にあった。親方の家へ引き取られてからも六三郎は参詣を欠かしたことがないので、住職にも奇特に思われていた。住職も今度の一条を知っているので、六三郎の不運を気の毒がって親切に慰めてくれた。江戸へ行くというのを聞いて、成る程それもよかろう、たとい幾年留守にしても阿母さんの墓を無縁にするようなことは決してしない、安心して行くがよいと、これも江戸の知りびとに添え手紙などを書いてくれた。
暇乞いをして寺を出るころには雨が降って来た。六三郎は雨の中を千日寺へも行った。父の死首はもう梟されていないでも、せめて墓詣りだけでもして行きたいと思ったのである。