후리가나로 읽는 일본 고전
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かごつるべ
江戸情話集
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 江戸情話集(かごつるべ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 203,779자 · 407화면
頼りない自分を憐れんで、今夜も呼んでくれたのではあるまいか――自分勝手ではあるが、お染はどうもそうであるらしいように解釈した。そうして、どうかそうであって呉れればいいと胸のうちでひそかに祈っていた。
今夜は宵から薄く陰って、弱い稲妻が時どきに暗い空から走って来た。それが秋の夜らしい気分を誘って、酒を飲まないお染はなんだか肌寒いようにも思われた。
お花は酔って唄った。
※(歌記号、1-3-28)立つる錦木甲斐なく朽ちて、逢わで年経る身ぞ辛き
彼女は一座の耳を惹きつけるほどの美しい清らかな声であった。それをじっと聴いているうちに、お染は一種の寂しさがひしひしと狭い胸に迫って来た。その陰った眼が自分の男の眼に出逢うと、男も少し沈んだような顔をして、杯を下においていた。
その晩も四人は泊まって、一人は帰ることになった。帰るというのはやはりお染の客であった。お染はお雪を廊下へ呼び出して、恥かしそうに頼んだ。
「わたしのお客は今夜も帰ると仰しゃるそうな。なんとか引き止める法はないものか」
お雪も同意であった。お染の客はゆうべも花代を払っただけで綺麗に帰った。今夜もまたすぐに帰ろうとする。