후리가나로 읽는 일본 고전
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かごつるべ
江戸情話集
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 江戸情話集(かごつるべ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 203,779자 · 407화면
おれはこれから河原へ行って、弟の死骸を始末して来る。そのあいだに支度しろ」
こう言い聞かせて市之助はすぐに寝衣をぬいだ。着物を着換えて袴を穿いて、大小を腰に差して、急いで表へ出て行った。
取り残された半九郎は、両手を膝において暫く考えていた。
自分を免してくれた市之助の料簡は、彼にもよく判っていた。しかしそれは市之助だけの料簡で、仲のいい朋輩を殺して置いてただそのままに逃げてしまうというのは、自分としては忍ばれないことであった。しょせん自分は逃れることの出来ない罪を背負っている以上、なまじいに逃げ隠れをして捕われるのは恥の上塗りである。兄が弟の仇を討たぬというならば、自分はいさぎよく自滅するほかはない。半九郎は切腹と決心した。
初冬の夜もしだいに更けて、清水寺の九つ(午後十二時)の鐘の音が水にひびいた。半九郎は仄暗い灯の前に坐って、自分の朋輩の血を染めた刃に、更に自分の血を塗ろうとした。それが自分の罪を償う正当の手段であると考えた。
彼がその刀を把り直した時に、屏風のかげから幽霊のような女の顔があらわれた。お染はいつの間にか忍んで来ていたのであった。