후리가나로 읽는 일본 고전
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さばくのこと
沙漠の古都
国枝 史郎
国枝 史郎의 沙漠の古都(さばくのこと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 110,076자 · 220화면
少しも躊躇することなしに彼女はレザールへ走り寄った。同じようにちっとも躊躇せずに彼女はレザールの上着を剥いだ。それからチョッキをまた剥いだ。そして下着を引き破り胴巻に包んだ鉄の手箱をそこからズルズルと引き出した。彼女は胴巻を床へ棄て手箱を眼の前へ持って来てしばらく仔細に見ていたがようやく納得したと見えて外套の内隠しへしっかりと蔵いホッと初めて吐息をしてそのまま隣室の扉へ行ってドアの取手に手をかけた。しかし女が捻らない先に鉄の取手がガチャリと鳴って扉が向側から押し開らいた。女は二、三歩よろめいた。その鼻先へ突き出されたものは自動拳銃の銃口である。女はまたもよろめいた。すると扉口から一人の男――料理人姿の東洋人――張教仁が現われた。
「手をお上げなさいお嬢さん!」立派な仏蘭西語で張は云った。女の顔は蒼褪めた。そして神妙に手をあげた。張は片手で拳銃を握り空いている片手を働かせて女の外套を探ったが、素早く鉄箱を取り出した。
「さあもうこれで用はない――ねえお嬢さん、さぞあなたは残念にお思いなさるでしょうが、それは少々気がよすぎます。しかしあなたのやり口は全く上手なものでした。