후리가나로 읽는 일본 고전
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かいなんき
海難記
久生 十蘭
久生 十蘭의 海難記(かいなんき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 28,628자 · 56화면
屠殺の凄惨な印象のお蔭でみな異様な痴鈍状態におちいり、あおのけに寝たまま、一日中、うつらうつらしていた。波の音ばかり高く、変ったことといえば、ときたま鱶が跳ねるぐらいのもので、藍一色の無慈悲な風景の中で、茫々と時が経っていった。
十七日(第十三日目)の朝、最後の葡萄酒を分け、なんの感動もなく咽喉の奥に送りこんでいるとき、デュポン大尉がああ、船が来ると沖のほうを指した。
遠い水平線に帆影に似たものが漂うように動いていた。コストという水兵がさまざまな色の布を万国旗のように棒に結びつけ、それを持って檣によじのぼった。灼けつくような凝視を一点に集めてながめているうちに、その船は無関心なようすで西南方へ帆走をして行き、間もなく水平線の下に沈んでしまった。
誰一人ものを言うものはなかった。罪の穢れの深さを考えても、そういう幸運にめぐりあうはずはないと諦めているようなようすだった。そうして、いつものように点々と日除の下に這いこみ、長くなって眼をつぶった。
八時頃、砲術長のクゥルタードが日除から出ると、十浬ほどのところへラルギュスが航行して来るのを見た。
三十分ほどの後、ラルギュスの端艇が筏の右舷に着いた。