일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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かいなんき

海難記

久生 十蘭

久生 十蘭의 海難記(かいなんき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 28,628자 · 56화면

아오조라 문고

ルイ十八世復古政府の第三年、仏領西亜弗利加の海岸で、過去にもなく、将来にもあろうとも思えぬ惨澹たる海難事件が起った。

半世紀の間見捨てられていた植民地を再建するため、セネガル河口のサン=ルイ島に行く新任の総督、総督府の官吏、書記、植民地附属の司祭、土木技師、主計、酒保係、地方人の入植団、細君と子供達、植民地警備の歩兵約二個中隊を乗せたラ・メデュウズという三檣戦艦は、海事にも運用にも、なにひとつ心得のない疎漏愚昧な艦隊司令官の指揮にしたがい、当然の帰結として、天気晴朗の昼のさなか、どんな初心な水夫でも知っているアルグゥイーンの浮洲 banc d'Arguin に乗りあげてしまったのである。

これも無智と怯懦な畏怖心から起ったことだが、乗員は一人残らず、なぜか軍艦は間もなく沈んでしまうのだろうと判断した。全員三百三十七名は離脱を肯んじない十七名を軍艦に残し、六隻の端艇と長さ八トアーズ(約七十尺)幅四トアーズ(三十五尺)という馬鹿げ切った巨大な筏――その後長く「ラ・メデュウズの筏」という名で記憶されるようになった有名な筏に分乗して、漠然と南大西洋の未知の海域に漂いだす。