후리가나로 읽는 일본 고전
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しせい
消えた受賞作 直木賞編
富田 常雄
富田 常雄의 消えた受賞作 直木賞編(しせい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 17,806자 · 36화면
おごられたのは解散式の酒であり、残ったものは翌日の宿酔だけである。彼等は不平を申出る力を持たない。封建世界の親分子分の盃のなかには盲従だけが仕込まれ、彼等はそれに慣らされて居た。親分のやり方、民主主義じゃねえぜ。姐御の名儀で大分銀行にあずけてあるし、姐御の金やダイヤの指輪だけでも大変な銭嵩だよ。涙金さえ出さねえのは民主主義じゃねえや、と、彼等は彼等の住んで居た世界とは正反対の向う側にある流行語を持ち出して、不平を言い合ったが、その親分が過去の恐喝強請を摘発されて警視庁送りとなれば、もう、沈黙の他はなかった。
ミチはこの街の電気器具店の娘で、ぐれ出したのは終戦直後、男友達に見栄を張る為に店の金を持ち出した事から始まり、その色白な美貌と牝豹を思わせる精悍さで、忽ち、ズベ公の第一人者になり、大下組の若者達とも近づきになって、現在の勇に、度胸試しの小指を詰めて誓い、親分の許可を得て一緒になった。飲食店が営業して居た頃は闇の酒や焼酎をかつぎ廻わって商売にして居たが、勇の転落は彼女の商売にも響き、現在では配給酒や麦酒を素人から買って転売する他なく、その範囲の狭い為に衣食にも窮し始めて居た。