후리가나로 읽는 일본 고전
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まんかんところどころ
満韓ところどころ
夏目 漱石의 満韓ところどころ(まんかんところどころ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 74,601자 · 148화면
そうしてその明るい雲の下が目立って黒く見える。あたかも高い城壁の影が空を遮って長く続いているようである。余は高いこの影を眺めて、いつの間にか万里の長城に似た古迹の傍でも通るんだろうぐらいの空想を逞ゅうしていた。すると誰だかこの城壁の上を駆けて行くものがある。はてなと思ってしばらくするうちに、また誰か駆けて行く。不思議だと覚って瞬もせず城壁の上を見つめていると、また誰か駆けて行く。どう考えても人が通るに違いない。無論夜の事だから、どんな顔のどんな身装の人かは判然しないが、比較的明かな空を背景にして、黒い影法師が規則正しく壁の上を馳け抜ける事は確である。余は橋本の意見を問う暇もないほど面白くなって、一生懸命に、眼前を往来するこの黒い人間を眺めていた。同時に汽車は、刻々と城壁に向って近寄って来た。それが一定の距離まで来ると、俄然として失笑した。今までたしかに人間だと思い込んでいたものは、急に電信柱の頭に変化した。城壁らしく横長に続いていたのは大きな雲であった。汽車は容赦なく電信柱を追い越した。高い所で動くものがようやく眼底を払った。
三十九