일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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くまのでるかいこんち

熊の出る開墾地

佐左木 俊郎

佐左木 俊郎의 熊の出る開墾地(くまのでるかいこんち)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 15,070자 · 31화면

아오조라 문고

十何年を経ても、彼等は最初の仮小屋の中に夜業を続けなければならなかった。十何年前に変わらない雨ざれた小屋は、壁板が割れて風が飛び込み雪が吹き込んだ。屋根は腐って雨が漏るのだった。併し彼等は、最初の夢を裏切られた未来の光のないところで、希望を持たない陰惨な生活を送らなければならないのだった。

原始林を背景にして散在した移住者の小屋から、事務所はやや離れたところにあった。納屋と馬小屋と、作男達の寝る建物とが、その横に黒く並んでいた。事務所からは明るい灯火が洩れていた。間もなく札幌へ伴れて行かれる筈の、おきんが裁縫をしているのだった。

事務所の灯火が消えた。おきんも寝たのだ。

「熊だあ! 熊だあ!」

若い声が突然叫んだ。暗がりに人影が動いた。

「熊だあ! 馬小屋を気を付けろ!」

移住者の小屋から炬火が出て来た。足音が乱れ合った。犬が吠え出した。

「熊だあ! 熊だあ!」

石油鑵が鳴り出した。板木を敲く音。バケツを打ち鳴らす音。人々は叫び合った。

「熊だあ! 熊だあ!」

「事務所の方へ逃げたぞう!」

炬火が四方八方から事務所へむけて駈け出した。黒い人影が続いた。犬が吠え合った。