후리가나로 읽는 일본 고전
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もゆるほお
燃ゆる頬・聖家族
堀 辰雄
堀 辰雄의 燃ゆる頬・聖家族(もゆるほお)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 71,309자 · 144화면
ルウベンスの偽画
それは漆黒の自動車であった。
その自動車が軽井沢ステエションの表口まで来て停まると、中から一人のドイツ人らしい娘を降した。
彼はそれがあんまり美しい車だったのでタクシイではあるまいと思ったが、娘がおりるとき何か運転手にちらと渡すのを見たので、彼は黄いろい帽子をかぶった娘とすれちがいながら、自動車の方へ歩いて行った。
「町へ行ってくれたまえ」
彼はその自動車の中へはいった。はいって見ると内部は真白だった。そしてかすかだが薔薇のにおいが漂っていた。彼はさっき無造作にすれちがってしまった黄いろい帽子の娘を思い浮べた。自動車がぐっと曲った。
彼はふと好奇心をもって車内を見まわした。すると彼は軽く動揺している床の上にしちらされた新鮮な唾のあとを見つけたのである。ふとしたものであるが、妙に荒あらしい快さが彼をこすった。目をつぶった彼には、それがりちらされた花弁のように見えた。
しばらくしてまた彼は目をひらいた。運転手の脊なかが見えた。それから彼は透明な窓硝子に顔を持って行った。窓の外はもうすっかり穂を出している芒原だった。ちょうど一台の自動車がすれちがって行った。