후리가나로 읽는 일본 고전
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ちちやくもをかたる
父八雲を語る
稲垣 巌
稲垣 巌의 父八雲を語る(ちちやくもをかたる)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 7,383자 · 15화면
と呼びます。芳一は石のやうに黙ってゐます……全身が鼓動を打って震へてゐます。武士は足音荒く、徐ろに芳一に接近して、乱暴な声で、「ここに琵琶がある。まてよ、琵琶法師と言っては……耳が二つあるばかりだ……道理で返事がない。返事をする口がないのだな……耳だけ残ってゐるばかりか。……それでは此の耳を持って行かう。とにかく殿様の命令通りにした証拠に」。その瞬間芳一は鉄のやうな指で両耳を掴まれ、引きちぎられたのを感じました。和尚は芳一の耳へも般若心経を書くことを忘れたのです。恐ろしさに声も立てず、傷からなほ血をだらだら流しながら、身動きもせずに座ってゐた芳一は、日の出前に帰ってきた住職の声を聞いて始めて安心してわっと泣き出しました。和尚は事の次第をきいて「あゝ可愛さうに。私が悪かった。今となっては仕方がないが、まあいゝわ、お前の危険はすっかりなくなったのだ。もう二度とあんな客に煩はされはしないよ」と言ひました。
芳一の怪我は程なく治りましたが、此の不思議な事件の噂は忽ち拡って、「耳なし芳一」といふ呼名の下に彼の名声は全国に轟き渡りました。
大体かういふ物語ですが、何分壇の浦の戦といふ日本歴史上の大きな事実を背景にして居ります関係上、之をすっかり西洋人にわかるやうに読ませるためには、いきほひ、その描写が詳細な説明に渡ら