후리가나로 읽는 일본 고전
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いちろうじん
犬田卯短編集二
犬田 卯
犬田 卯의 犬田卯短編集二(いちろうじん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 51,383자 · 103화면
の「自由」な「囚われない」生活をはじめたのであった。
彼女は、近所や親戚に葬式があっても気が向かなければ顔を出さなかった。女房たちの年に一度二度の集まりにも姿を見せなかった。隠居家にひとり佗びしく生きていた老母――彼女の実の母――が息を引取る時も、旅にいてなんの世話もしなかった。東京で酒屋の小僧をしている息子が、ひょっこり行商からかえった母親を詰ると、彼女は吐き出したということであった。
「自分のことは自分でするのが本当だ。俺ら誰の世話もしたくねえ代りに、ひとの世話にもならねえで気が向いたら死ぬ。」
孤独とそして自由――それが彼女のすべての生活であった。「気が向けば」彼女は遠い山の温泉場へも行ったし、名所旧跡も訪れた。松島見物に出かけた村の人々が、塩釜の町で、ひょっこり彼女を見つけて挨拶したら、彼女はどこの誰だっけ?……といったようなとぼけた顔をして、返事もせずに行き過ぎたなどという話題を提供したこともあったほどである。「あの年で、ああして一人でいやがって……」などといらぬお世話を焼いたり、想像を逞しくしたりする人たちも、むろん最初はなきにしもあらずだったが、しかしそうして瓢々乎として足の向くままに、女の身で、今の文壇における誰やら女史のように、旅して歩く彼女の存在は、やがて村人のこころから離れてしまって