후리가나로 읽는 일본 고전
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たまものまえ
玉藻の前
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 玉藻の前(たまものまえ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 130,703자 · 261화면
勅勘の身を憚ったのである。父が教えたか、娘が自分に思いついたか、そのつつましやかな心根を大納言はゆかしくも又あわれにも思った。彼はその夜すぐに関白忠通卿の屋形に伺候して、世にめずらしい才女の現われたことを報告すると、関白もその歌を読みくだして感嘆の声をあげた。
あらためて註するまでもないが、源の俊顕の歿後は和歌の道もだんだん衰えてきたのを、再び昔の盛りにかえそうと努めたのは、この忠通卿である。久安百首はこの時代の産物で、男には俊成がある。清輔がある。隆季がある。女には堀川がある。安芸がある。小大進がある。国歌はあたかも再興の全盛時代であった。その時代の名ある歌人すらもみな詠み悩んだ「独り寝のわかれ」の難題を、名も知らぬ賤の乙女がこう易やすと詠み出したのであるから、関白や大納言が驚歎の舌をまいたのも無理はなかった。
「父は勅勘の身ともあれ、娘には子細あるまい。予が逢いたい。すぐに召せ」と、忠通は言った。
関白家のさむらい織部清治はあくる日すぐに山科郷へゆき向かって、坂部行綱の侘び住居をたずねた。思いも寄らぬ使者をうけて、行綱もおどろいた。彼は娘が大納言の屋形へ推参したことをちっとも知らなかったのであった。