후리가나로 읽는 일본 고전
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うまれいずるなやみ
生まれいずる悩み
有島 武郎
有島 武郎의 生まれいずる悩み(うまれいずるなやみ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 50,587자 · 100화면
目も向けられないような濃い雪の群れは、波を追ったり波からのがれたり、さながら風の怒りをいどむ小悪魔のように、面憎く舞いながら右往左往に飛びはねる。吹き落として来た雪のちぎれは、大きな霧のかたまりになって、海とすれすれに波の上を矢よりも早く飛び過ぎて行く。
雪と浸水とで糊よりもすべる船板の上を君ははうようにして舳のほうへにじり寄り、左の手に友綱の鉄環をしっかりと握って腰を据えながら、右手に磁石をかまえて、大声で船の進路を後ろに伝える。二人の漁夫は大竿を風上になった舷から二本突き出して、動かないように結びつける。船の顛覆を少しなりとも防ごうためだ。君の兄上は帆綱を握って、舵座にいる父上の合図どおりに帆の上げ下げを誤るまいと一心になっている。そしてその間にもしっきりなしに打ち込む浸水を急がしく汲んでは舷から捨てている。命がけに呼びかわす互い互いの声は妙に上ずって、風に半分がた消されながら、それでも五人の耳には物すごくも心強くも響いて来る。
「おも舵っ」
「右にかわすだってえば」
「右だ‥‥右だぞっ」
「帆綱をしめろやっ」
「友船は見えねえかよう、いたらくっつけやーい」