후리가나로 읽는 일본 고전
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うまれいずるなやみ
生まれいずる悩み
有島 武郎
有島 武郎의 生まれいずる悩み(うまれいずるなやみ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 50,587자 · 100화면
晴れては曇る雪時雨の間に、岩内の後ろにそびえる山々が、高いのから先に、水平線上に現われ出る。船歌をうたいつれながら、漁夫たちは見慣れた山々の頂をつなぎ合わせて、港のありかをそれとおぼろげながら見定める。そこには妻や母や娘らが、寒い浜風に吹きさらされながら、うわさとりどりに汀に立って君たちの帰りを待ちわびているのだ。
これも牛乳のような色の寒い夕靄に包まれた雷電峠の突角がいかつく大きく見えだすと、防波堤の突先にある灯台の灯が明滅して船路を照らし始める。毎日の事ではあるけれども、それを見ると、君と言わず人々の胸の中には、きょうもまず命は無事だったという底深い喜びがひとりでにわき出して来て、陸に対する不思議なノスタルジヤが感ぜられる。漁夫たちの船歌は一段と勇ましくなって、君の父上は船の艫に漁獲を知らせる旗を揚げる。その旗がばたばたと風にあおられて音を立てる――その音がいい。
だんだん間近になった岩内の町は、黄色い街灯の灯のほかには、まだ灯火もともさずに黒くさびしく横たわっている。雪のむら消えた砂浜には、けさと同様に女たちがかしこここにいくつかの固い群れになって、石ころのようにこちんと立っている。