후리가나로 읽는 일본 고전
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うまれいずるなやみ
生まれいずる悩み
有島 武郎
有島 武郎의 生まれいずる悩み(うまれいずるなやみ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 50,587자 · 100화면
それでも敷居をまたぐと土間のすみの竈には火が暖かい光を放って水飴のようにやわらかく撓いながら燃えている。どこからどこまでまっ黒にすすけながら、だだっ広い囲炉裏の間はきちんと片付けてあって、居心よさそうにしつらえてある。嫂や妹の心づくしを君はすぐ感じてうれしく思いながら、持って帰った漁具――寒さのために凍り果てて、触れ合えば石のように音を立てる――をそれぞれの所に始末すると、これもからからと音を立てるほど凍り果てた仕事着を一枚一枚脱いで、竈のあたりに掛けつらねて、ふだん着に着かえる。一日の寒気に凍え切った肉体はすぐ熱を吹き出して、顔などはのぼせ上がるほどぽかぽかして来る。ふだん着の軽い暖かさ、一椀の熱湯の味のよさ。
小気味のよいほどしたたか夕餉を食った漁夫たちが、
「親方さんお休み」
と挨拶してぞろぞろ出て行ったあとには、水入らずの家族五人が、囲炉裏の火にまっかに顔を照らし合いながらさし向かいになる。戸外ではさらさらと音を立てて霰まじりの雪が降りつづけている。七時というのにもうその界隈は夜ふけ同様だ。どこの家もしんとして赤子の泣く声が時おり聞こえるばかりだ。