후리가나로 읽는 일본 고전
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うまれいずるなやみ
生まれいずる悩み
有島 武郎
有島 武郎의 生まれいずる悩み(うまれいずるなやみ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 50,587자 · 100화면
そして余の事はきれいに忘れてしまう。
君はただいちずにがむしゃらに本道から道のない積雪の中に足を踏み入れる。行く手に黒ずんで見える楡の切り株の所まで腰から下まで雪にまみれてたどり着くと、君はそれに兵隊長靴を打ちつけて足の雪を払い落としながらたたずむ。そして目を据えてもう一度雪野の果てにそびえ立つ雷電峠を物珍しくながめて魅入られたように茫然となってしまう。幾度見てもあきる事のない山のたたずまいが、この前見た時と相違のあるはずはないのに、全くちがった表情をもって君の目に映って来る。この前見に来た時は、それは厳冬の一日のことだった。やはりきょうと同じ所に立って、凍える手に鉛筆を運ぶ事もできず、黙ったまま立って見ていたのだったが、その時の山は地面から静々と盛り上がって、雪雲に閉ざされた空を確かとつかんでいるように見えた。その感じは恐ろしく執念深く力強いものだった。君はその前に立って押しひしゃげられるような威圧を感じた。きょう見る山はもっと素直な大きさと豊かさとをもって静かに君をかきいだくように見えた。ふだん自分の心持ちがだれからも理解されないで、一種の変屈人のように人々から取り扱われていた君には、この自然が君に対して求めて来る親しみはしみじみとしたものだった。