일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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くじょしょうろく

痀女抄録

矢田 津世子

矢田 津世子의 痀女抄録(くじょしょうろく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 32,578자 · 65화면

아오조라 문고

それが仕癖になって、銀三は、

「お寿女さん、割り合せを頼むよ」とか、「こんどは二菅合せだ」とか、小声で頼み込む。

枠孔へ目打ちを立ててそれに糸を引いて、一方を口に啣え一方を縒りながら合せていく機敏な動作は、立って為ることが慣わしとされているけれども、寿女はそうした例しがない。いつも、中腰になって上背をよじるようにして手早く縒り合わせていく。うしろ背を連之助の眼にふれさせまいとしている。連之助のいるところでは決して座を立ったことがなかったし、何かの用事で話しをしなければならないときには、きっと、髪へ手をやった。

こうして座に居ついたままの寿女へ、糸箱から糸を取ってきてやったり、針の代えに心を配るのは銀三であった。銀三は、この家に住込んでからは、ずっと師匠の身のまわりの世話から客の取り次ぎ、勝手元いっさいまでも独りで取り仕切って、針に打ち込む間もない時がある。師匠と共にいるこの暮しを何よりの喜びとしているし、この律儀一途な性分を重宝がって連之助は、自分もまた師匠のように身のまわりのことをさせつけていた。

或る時、師匠から「四君子」と題が出て、三人の弟子は競うてかかりつめたが、誰れよりも早く仕上り、師匠の糸ぐせも巧みに出して、色彩りも鮮やかに人眼を惹いたのは、連之助の仕事であった。