후리가나로 읽는 일본 고전
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ほったん・でんわじけん
発端・電話事件
式場 隆三郎
式場 隆三郎의 発端・電話事件(ほったん・でんわじけん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 3,102자 · 7화면
家具のなくなった空虚な部屋部屋にも、彼の血や臭いが滲みこんだ柱があり、壁がある。柱は彼の創案になる塗料で暗紫色に光り、香料を塗りこめた壁は呼吸している。大東京の喧騒の街頭に立つこの沈黙の家の物語は、昭和初期の綺譚として語り伝えてもいいだろう。この幾十日、私はあの家のことで憑かれたようになっている。荷風山人は、※(「さんずい+(壥-土へん-厂)」、第3水準1-87-25)東の一隅に妙筆を揮って満都の文学愛好者を魅了した。私には「科学者の※(「さんずい+(壥-土へん-厂)」、第3水準1-87-25)東綺譚」をかく力がない。ただあの家の作者の大業をつぶさに伝えたい熱意にかられて、拙い筆をとったにすぎない。
ある新聞は、「狂人の建てた化物屋敷」と報じた。近所では、「牢屋」とよんでいる。多くの人々は、富裕の狂人の悪戯と解している。しかし、あの家の隅々を正視した人は、果して笑いきれるだろうか。私は畏怖し、驚嘆する。だれも実行できない夢と意欲を、悠々とやりとげた逞しい力に圧倒されそうだ。文学好きの人はこの話を伝えきくと、ポオの『アッシャ家の崩落』を頭に描いたり、ボードレエルの作品を思い浮べるかも知れない。